トンネル用情報ボックス耐火防護用JICケイカルTN工法

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平成17年12月5日

当社は道路管理用光ファイバーを収容する情報BOX用耐火防護工法の新工法として,トンネル内に敷設される情報BOX向けに1200℃の高温に耐える「JICケイカルTN工法」を開発し,この度NETIS(国土交通省新技術情報提供システム)に登録されたのでお知らせします。

情報BOXは政府によって平成13年から現在までに行われているe-Japan戦略等による高度情報通信ネットワーク形成の一環として整備されている通信設備で,通常は道路の地下に埋没されていますが,橋梁やトンネルではこれらの構造物に添架されるために,火災による損傷を防ぐ為の耐火防護が必要とされています。
これまで,耐火防護の耐熱温度は850℃とされていましたが,トンネル内の火災は1979年に発生した日本坂トンネル火災に見られるように,ガソリンなどが燃焼する為に10分程度で1200℃にも上昇するような極めて過酷な状況になります。
image この為,こうした状況にあっても情報BOXに格納される光ファイバーケーブルを火災から護るため,情報ボックスの耐火防護工法に関する国土交通省の仕様では,ドイツ交通省が定める道路トンネル内の設備と運用に関する指針(RABT)に準拠して1200℃に達する高温加熱に耐える性能が要求されています。

今回新しく開発したJICケイカルTN工法は3種類の性状の異なるけい酸カルシウム耐火断熱材を組み合わせることにより,以下のような特長を有する工法です。

  • 1200℃の高温に耐える耐火性能を有する
    断熱効果を高めるため,内層部に低比重で断熱性の高いけい酸カルシウム保温材(商品名:U-ブリッド)を配置するとともに,1200℃の高熱に耐えうるように,中間層及び外層部に高比重で耐熱性の高いけい酸カルシウム耐火材を配置する構成としています。
  • トンネル内での使用に耐える優れた耐久性を有する
    高湿度で排気ガスなど過酷なトンネル内の環境に対して,外層部にトンネル用に開発した特殊けい酸カルシウム耐火材(商品名:S-ブリッド)を用いて,耐久性を高める工夫を行っています。
  • リサイクルできる
    けい酸カルシウム耐火断熱材は,使用後は工場にてリサイクルできますので,環境にもやさしい材料です。

当社としては,今後とも耐火・断熱の分野で新技術開発に取り組んで参ります。

NETIS登録No.CB-050013

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