建築構造用冷間ロール成形角形鋼管との組み合わせによるけい酸カルシウム板耐火被覆厚の低減と認定取得

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広報資料 平成29年3月8日

(当該資料プレスリリース掲載)
JFEスチール株式会社
日本インシュレーション株式会社

建築構造用冷間ロール成形角形鋼管との組み合わせによる
けい酸カルシウム板耐火被覆厚の低減と認定取得について

このたび,JFEスチール株式会社(以下,「JFEスチール」)は,日本インシュレーション株式会社(以下,「日本インシュレーション)の技術協力のもと,建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(以下,「冷間ロールコラム」)の「JFEコラムBCR」(※1)を使用した鋼管柱に限り,耐火被覆材料であるけい酸カルシウム板(※2)の厚みを40%以上低減させ,国土交通大臣より耐火構造(※3)の認定を取得しました。

耐火を目的とした被覆材料やその厚みは,建築基準法および関連法規で定められた要求性能(※4)に応じて,評価機関による所定の耐火試験で検証され,国土交通大臣より認定されます。JFEスチールは,耐火被覆材料と冷間ロールコラムそれぞれの熱特性を解析し,最適な仕様で組み合わせることにより,被覆厚を低減させながら耐火性能を確保する開発を行っています。今回,施工が簡単なけい酸カルシウム板を対象に,JFEスチールの「JFEコラムBCR」と日本インシュレーションの「Jタイカ」との組み合わせで,従来は35mmだった被覆厚を20mmに低減し,2時間耐火認定を取得しました。これにより,「JFEコラムBCR」が使用される鉄骨造建築物において,耐火被覆工事費削減と柱の仕上げ寸法縮小による居室有効面積の拡大が可能になります。

さらに,今回の認定取得に加え,建物の外周部にある鋼管柱など,外壁を耐火被覆の一部として活用する合成耐火構造についても,鉄骨造建築物で使用頻度の高い外壁材であるALC板(※5)を対象に,「JFEコラムBCR」と「Jタイカ」の組み合わせで,2時間耐火の認定取得を3月中に見込んでいます。 JFEスチールグループおよび日本インシュレーションでは,今後もお客様のニーズに応じた建材商品の開発に努めてまいります。


【図】けい酸カルシウム板と冷間ロールコラムの取り付け要領

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【写真】けい酸カルシウム板を使用した鋼管柱の施工例

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(※1) 建築構造用冷間ロール成形角形鋼管「JFEコラムBCR」の規格

種類の記号

認定番号

降伏点
N/mm2

引張強度
N/mm2

降伏比

BCR295
JBCR295

MSTL-0141
MSTL-0142
MSTL-0401

295~445

400~550

90以下

「BCR」は一般社団法人日本鋼鉄連盟の登録商標です。

(※2) けい酸カルシウム板の耐火被覆厚

種類

1時間耐火

2時間耐火

被覆厚さ

被覆厚さ

既往認定仕様

けい酸カルシウム板
(タイカライト)

1号

20mm

35mm

2号

25mm

45mm

今回認定仕様

Jタイカ

1号

-

20mm

※Jタイカの実用最小板厚は20mm
冷間ロールコラム適用サイズは,□-250×250×16~□-550×550×25
けい酸カルシウム板1号品は塗装・クロス仕上げ用,2号品は粗素地

(※3) 耐火構造
法第2条第7号,令107条。火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するため,建築物に必要とされる耐火性能を有する構造のこと。

(※4) 要求性能
建築物の部分・階数に応じて要求される性能の「要件」と「時間」のこと。柱 に要求される要求耐火時間は下記のとおり。
 1時間:最上階及び最上階から数えた階数が2以上で4以内の階。
 2時間:最上階から数えた階数が5以上で14以内の階。
 3時間:最上階から数えた階数が15以上の階。

(※5) ALC板
Autoclaved Lightweight aerated Concrete。高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートのこと。


■商品(けい酸カルシウム耐火被覆板「Jタイカ」)に関する問い合わせ先
日本インシュレーション株式会社 建築事業部営業開発グループ
TEL:03-5875-8531 / FAX:03-5875-8551
東京都江東区木場2丁目17番16号(ビサイド木場3F)

■本件に関するお問い合わせは,下記にお願い致します。
JFEスチール(株) 総務部広報室 TEL:03-3597-3166
日本インシュレーション(株) 管理本部情報管理部 TEL:06-6210-1268