ニュースリリース-NTロックウールリニューアル工法

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平成16年5月18日

-建物の火災安全性を守る耐火1被覆こそリニューアルを!-
けい酸カルシウム耐火被覆板による「吹付けロックウール・リニューアル工法」を開発

当社は,吹付けロックウール耐火被覆材が剥離・脱落した梁・柱を「けい酸カルシウム成形板」で再被覆するリニューアル工法を開発しました。
高度経済成長下で建てられた大量の建築ストックは,更新時期を迎えつつあります。多くの建物に施工されている吹付けロックウール耐火被覆材が,経年変化等の理由により剥がれ落ちるというケースが生じています。言うまでもなく,耐火被覆材は火災による鉄骨架構の損傷,倒壊を防止する重要なものです。この耐火被覆材にダメージがあれば,建築単体の安全性に大きな影響を及ぼします。そこで当社は,耐火性能が損なわれた吹付け材をほとんどかき落とすことなくけい酸カルシウム板で再被覆し,当初設計仕様と同等以上の耐火性能を回復するだけでなく,外観の改善も図ることができる画期的なリニューアル工法を開発しました。リニューアルに使用する耐火被覆板には,このほど全ての耐火性能試験に合格した(耐火認定は一部申請中のものあり)新製品「ニュータイカライト」を基本仕様としており,被覆厚さのスリム化とコストの削減を図っています。


「吹付けロックウール耐火被覆材」と「けい酸カルシウム耐火被覆板」

耐火被覆材は,鉄骨造建築物の梁・柱等の躯体を火災による火熱から保護し,建物を崩壊から守ります。そのため,その品質保証はたいへん重要な要素であり,被覆厚さと比重を認定どおり正確かつ均一に施工することが耐火被覆材の施工において求められます。
現在,吹付けロックウールは,低コストという利点から耐火被覆材として多くの建築物に施工され最も大きなシェアを占めていますが,現場での原材料配合・施工で生じる品質のバラツキ,粉塵等による現場及び周辺環境への影響,脱落・剥落を生じやすい等の短所があります。 
これに対し,JICのけい酸カルシウム板は,耐火性能を保証する比重・厚さ・配合比を生産工場で徹底管理し品質が安定している,施工現場では施工状況を目視で検査するだけでよく品質管理がしやすい,施工現場環境への影響が少ない等の特徴を持っています。

リニューアル工法の概要

◇ 特徴 ◇

  • 安定した品質:けい酸カルシウム板は,工場での徹底した品質管理で高品質の製品を安定供給します。
  • 簡単施工:吹付け耐火被覆材はそのままとし,けい酸カルシウム板でカバーするだけの簡単な施工です。
  • 少ない廃材:吹付け耐火被覆材をほとんどかき取らず,また,けい酸カルシウム板は工場プレカットのため現場廃材はほとんど出ません。
  • 美観の確保:けい酸カルシウム板は成形板ですので,すっきりきれいに仕上がります。
  • 稼働下での改修:現場養生が必要なく,粉じん飛散も少ないため,建物稼働下での改修が可能です。

◇ 工程 ◇

リニューアル工法には,「先付けピン工法」と「スペーサー工法」の2つの工法があります。
「先付けピン工法」は,吹付けロックウールの一部分を掻き取り,鉄骨に固定ピンを取り付け,さや管を挿入後,けい酸カルシウム板を取り付ける工法です。この工法は,より低コストで簡単施工であることが特徴です。
「スペーサー工法」は,吹付けロックウールの一部分を掻き取りスペーサー(けい酸カルシウム板)を固定し,それにけい酸カルシウム板を釘で取り付ける従来の工法です。吹付けロックウールを掻き取る面積は先付けピン工法より大きく掻き取る必要があります。先付けピン工法では,ピンの溶接の際に発生する高周波が精密電子機器に影響を与える恐れがあるため,精密電子機器稼働下での改修はスペーサー工法を推奨しています。

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ご案内

固定ピン工法におけるリニューアル工事は,2011年12月をもって取り扱いを終了いたしました。今後はスペーサー工法のみでのご案内となります。

<お知らせ>2021年3月
リニューアル工法に使用する耐火被覆板はニュータイカライトRが基本となります(商品入れ替えのため)

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