インヒビライトの腐食抑制メカニズム

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当社製品「インヒビライト」は,超軽量けい酸カルシウム保温材ダイパライトに特殊腐食抑制剤を全表面に含浸させた製品で,40年余の実績を誇る腐食抑制タイプ保温材の元祖です。この特殊腐食抑制剤は,はっ水機能を有し,さらに万一吸水しても可溶性成分が水に溶け出すことにより,化学的な腐食抑制効果を発揮します。

腐食抑制保温材 インヒビライト
製品表面で散水した水をはじいている様子
腐食抑制メカニズム

「インヒビライト」の腐食抑制メカニズム

はっ水機能で水をはじく

従来品では外装板の隙間などから浸入した雨水などを吸収し,鋼材表面での腐食を引き起こします。しかし,「インヒビライト」は特殊腐食抑制剤中のはっ水機能により製品が水をはじくため,腐食を抑制できます。また,保温材が含水しにくくなることで保温性能の低下抑制効果もあります。 ※外装材には水抜きを設けるのがポイントです。

可溶性イオンが化学的に腐食を抑制

万一,雨水などにより配管の表面が湿潤状態になっても,その水分に特殊腐食抑制剤から可溶性成分であるナトリウムイオンとけい酸イオンが溶け出し,腐食抑制作用(インヒビター効果)をもたらします。

アルカリ性環境により保護膜を形成

「インヒビライト」は他の保温材と比較してpHが高く(pH9~pH12)高い腐食抑制効果を有します。さらにアルカリ域において鋼材の表面に,不動態皮膜(保護膜)を形成し,被覆対象配管の腐食を抑制します。

促進腐食試験例(溶出液浸漬法)

 

インヒビライト
(はっ水品)

JIS 1号-15品
(非はっ水品)

1週間 促進腐食試験例1 促進腐食試験例2

腐食速度

0.0g/㎡/day 2.0g/㎡/day
4週間 促進腐食試験例3 促進腐食試験例4

腐食速度

0.0g/㎡/day 2.5g/㎡/day

一定量のインヒビライトを粉砕し,それを蒸留水中にて70℃で2時間溶出し,ろ過して試験用溶出液とした。その中に鉄板を浸漬して温度70℃の恒温に保ち1週間及び4週間放置した。
20%NaOH水溶液にZn粉末200g/リットルを加えた洗浄液に試験後の鉄板を入れ,腐食生成物が完全に除去されるまで洗浄し,試験前後の鉄板重量から,腐食速度を算出した。

水中での鉄の腐食抑制

水中での腐食抑制メカニズム

不動態皮膜による腐食抑制イメージ