インヒビライト・ニューインヒビライト – はっ水タイプ保温材

はっ水タイプ保温・断熱材

インヒビライト・ニューインヒビライト


「インヒビライト」と「ニューインヒビライト」は、保温・断熱対象とする鉄・ステンレスなど金属製の配管・塔槽・機器等に対する腐食抑制処理を施した保温材です。高いはっ水性能を有しますので、含水による保温性能の低下も抑制します。

インヒビライトとニューインヒビライトの特徴について

両製品とも、当社製超軽量けい酸カルシウム保温材ダイパライトをはっ水処理した製品です。 ダイパライトと同等の軽量性・保温力・形状種・サイズ種を有します。

「インヒビライト」は表面部のみに、はっ水機能と可溶性防食成分を有する特殊腐食抑制剤を含浸させていますので、より高い腐食抑制効果を有します。

※インヒビライトを現場にて裁断加工する場合、「ロータスライトA-10」を裁断加工面に塗布する処理が必要な場合があります。

「ニューインヒビライト」は表面部及び内部にはっ水剤を備える商品で、より含水しにくい性質を有する商品です。

標準性能

密度
[kg/m3]
曲げ
強さ
[N/cm2]
圧縮
強さ
[N/cm2]
加熱線
収縮率
1000℃-3hr
加熱後[%]
最高使用
温度[℃]
熱伝導率1〔W/(m・K)〕
インヒビライト
ニューインヒビライト
130※23045※32.0以下1000(200 ≦θ≦ 300)
λ= 0.0407+1.28×10-4・θ

(300 <θ≦ 600)
λ= 0.0555+2.05×10-5・θ+1.93×10-7・θ2
JIS
1号-15規格
155以下20以上30以上
※1 施工時の保温材厚の算出などの伝熱計算にはJIS A 9501(保温保冷工事施工標準)の熱伝導率算出参考式をご使用ください。
※2 ボードの厚25mm品のみ135となります。 ※3 全体はっ水品のニューインヒビライトは35となります

(注)はっ水剤の耐熱温度は250℃で、この温度を超えるとはっ水効果はなくなります。
ただし加熱面温度が250℃を超えても、非加熱面(保温材の非加熱側表面)の温度が250℃を超えない限り非加熱面には十分なはっ水効果がありますので、通常の状態で使用される分には問題はありません。


インヒビライトの腐食抑制メカニズム

当社製品「インヒビライト」は、超軽量けい酸カルシウム保温材ダイパライトに特殊腐食抑制剤を全表面に含浸させた製品で、40年余の実績を誇る腐食抑制タイプ保温材の元祖です。この特殊腐食抑制剤は、はっ水機能を有し、さらに万一吸水しても可溶性成分が水に溶け出すことにより、化学的な腐食抑制効果を発揮します。

製品表面で散水した水をはじいている様子
はっ水機能で水をはじく

従来品では外装板の隙間などから浸入した雨水などを吸収し、鋼材表面での腐食を引き起こします。しかし、「インヒビライト」は特殊腐食抑制剤中のはっ水機能により製品が水をはじくため、腐食を抑制できます。また、保温材が含水しにくくなることで保温性能の低下抑制効果もあります。
 ※外装材には水抜きを設けるのがポイントです。

可溶性イオンが化学的に腐食を抑制

万一、雨水などにより配管の表面が湿潤状態になっても、その水分に特殊腐食抑制剤から可溶性成分であるナトリウムイオンとけい酸イオンが溶け出し、腐食抑制作用(インヒビター効果)をもたらします。

アルカリ性環境により保護膜を形成

「インヒビライト」は他の保温材と比較してpHが高く(pH9~pH12)高い腐食抑制効果を有します。さらにアルカリ域において鋼材の表面に、不動態皮膜(保護膜)を形成し、被覆対象配管の腐食を抑制します。

促進腐食試験例(溶出液浸漬法)

一定量のインヒビライトを粉砕し、それを蒸留水中にて70℃で2時間溶出し、ろ過して試験用溶出液とした。その中に鉄板を浸漬して温度70℃の恒温に保ち1週間及び4週間放置した。
20%NaOH水溶液にZn粉末200g/リットルを加えた洗浄液に試験後の鉄板を入れ、腐食生成物が完全に除去されるまで洗浄し、試験前後の鉄板重量から、腐食速度を算出した。

水中での鉄の腐食抑制

不動態皮膜による腐食抑制イメージ